吉田 章さん|生産者の声|農作物紹介 鏡石町[福島県]

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生産者の声

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人とつながり地域に根付いてゆく

2019年03月13日:吉田 章さん

栽培している品種について教えてください

メインは梨を栽培しています。
果物は花芽ができたときから栽培がスタートします。果物によって作業の工程は変わるのですが、梨は独特です。
剪定によって果実をならせる枝を棚へ結わえ付けていきます。
果実をならせすぎると翌年の収穫量が減ったりしてしまうので、品質の良いものを安定した量で作っていくには、この剪定が重要です。
また、梨は果実がすごく重いので台風の被害が大きく出てしまうため、棚へ結わえ付けるのはその予防の1つでもあります。

例えば梨って「幸水」に「幸水」の花粉を付けても実がならないんですよ。りんごもそうですし、スモモもそうですね。
詳しいメカニズムはまだ分かっていなくて色々な説がありますが、幸水を作るには他の梨の花粉を受粉させるのです。
幸水に他の梨を受粉させても「幸水」ができるのは、細胞の遺伝情報はめしべ側が持っているからなのですよ。
化学の授業のようになってきましたね(笑)
知識は持っていたとしても、なによりも農家さんの手や努力があってこそおいしい梨ができるものです。
昔はハチが受粉してくれていたのですが、いまはハチも減ってしまっているため人の手で受粉させています。

栽培している環境について教えてください

作物を作るには、気温の日格差が大切です。朝晩が寒くて、日中が暑くなる気候ですね。
植物は光合成で必要な養分をつくるため、昼間の暖かい時は同化作用の活性が起こり栄養が高くなります。
そして気温が低くなる夜は活性が起きないので、昼間にためた養分を浪費しません。
なので、寒暖差があるところでおいしい作物ができるのです。
そういった意味では、鏡石は比較的作物を作りやすい気候ではないでしょうか。

今後について、思っていることはありますか

私の家は分家で、梨の栽培は私で4代目です。
農家は大変なので、5代目がどうなるかはまだ分かりません。
私が農業委員をやっているのもあってか、人から色々な相談をされる事があるですが、皆が心配していることのひとつに健康問題もあります。
農地に関する問題の悩みから、後継者に関する問題、身体や心の病いの悩みもあります。
なかなか解決しにくいことでありますが、話をすることでお互いに少しだけ気持ちが晴れていきます。

これから少子化の時代で、なかなか兄弟の縁も続けにくくなっていきます。
だからこそご先祖様からのつながり、地域の人とのつながりをつくるのが農村であり、皆家を守っていくという自負があります。
農家として生きていくことは、地域に根付く事ではないでしょうか。

持続的な農業をしていくために先祖・家族・人とのつながりを作って、農と食の新時代へ。
これからの農業のありかたについて、皆で考えて声を上げていかなければいけないと思っています。

生産者情報

生産者名

:吉田 章

所在地

:鏡石町成田原町200

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